だだっぴろいところにて

ブラジル・バイーア州の田舎でのんびり暮らし

去年のくるま

去年の出来事を書いたけど

出処が無くなったからここに転記。

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住んでいる町はできて50年ちょいの若い所。未開の土地も多々ありそう。
車もバイクも走っているものの、まだ荷物をロバで運ぶ人、馬で移動する人あり。


時々、馬達が連れだって自分達だけで闊歩している。脱走牛も道路わきを歩いている。
おかげで、道端で大きな大量のうんこ様に遭遇できる。

 

空が広いってこれのことやなー!!ってなくらい、空が広い。どっちを向いても地平線が見える所もある。


視界を遮るものがないもんで、車で走っていてちょっと小高い所にいくと、今から30分~1時間後に行こうとしている場所が遠くに見渡せる。
今からあんな遠くの山間にワープするんやなぁと。


日本だったらば、神奈川の家の前から、1時間かかる都内の会社が見えてんのかと想像すると不思議な感じ。

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生活に車は欠かせない。都会みたいな循環バスは無い。誰かが個人で定期バスを運行させているくらい。
乗り物をもっていない人、運転できない人は、道端でカローナ(ヒッチハイク)をして移動する。

 

この近辺100キロ圏内に信号は無い。道はアスファルトもあるけども、土の道の方がまだ多い。
ぴっかぴかの綺麗な車もあれば、動いてんのがびっくりするくらいおんぼろな車も走っている。我が家の車もそのうちの一台だった。


というわけで車について。
去年の後半まで我が家で頑張ってくれていた車はかなりハードな一品だった。車の中にいても下をみたら何故か地面が見えている。
土の道を走ると大量の砂が車内を舞っている。車の中のはずなのに外みたい。。窓はなんとか自動で開閉できるスイッチがついていたけども、
なんかスイッチがドアにぷらんぷらんぶらさがっていた。


エンジンはすぐ煮え煮えになる。暑い日に走ると冷却水が沸騰している音が聞こえる。日本なら車検通らんよねぇ。。

 

そんなマシンである日の夕暮れ、友人宅のパーティに向かった。道はハードな土の山道。とにかくガタガタ。そして車もガタガタ。
外はだいぶ涼しくなっていたが、またしても冷却水がほかほかになっている模様。補充のための水は沢山持って行ったものの
道を間違えたりしている間にエンジン更に煮え煮え。やたら減っていく冷却水。追加しても追加しても無くなってしまう。


そろそろやばいなということで、友人宅に行くことをあきらめて引き返すことにした。
おそるおそる進みつつ、水が足りなくなったので途中で通り過ぎる車を止めて水をわけてもらったり、道中見つけた川に真っ暗な中、携帯電話のライトをたよりに水をくみに行く。
さぁ水をまた追加しようと思ったある時、ぷしゃー!!と、どこからか冷却水噴射!

 

お手上げ。止まってくれた通りすがりのファミリーが、少し応急処置をしてくれたものの、数分後にまた噴射。


どうにもこうにもならないので、また人を止める。止まってくれた人の家がその現場の近所だったので、なんとかその人の家まで
車を移動させて、車はそこに置かせてもらえた。だがしかし、我々を家に送ることはしないよん、とのこと。

 

仕方がないので大事な荷物だけ持って、夜道を歩き始めた。山道で人通りが少ないところ、夜はどんどんふけて通る車もほとんどなくなっていた。


月明かりの中とぼとぼと歩く。ようやく車が来た!と思ったら馬を運んでるから人を乗せるのは無理、と断られる。
また月明かりの中をとぼとぼ歩く。こんな人里離れた山の中をこんな夜更けに歩いているということを実感してしまうと心が破裂しそうだったので、
いや~お月さんが綺麗でええ夜やなぁ~!とか自分をもりあげてどうにか歩き続けた。

 

ついに止まってくれた人がいた!荷物があるから無理と言われたところを頼み込んで、ビールケースが積んである荷台に乗せてもらうことができた。
そうしてようやく家のある町に帰り着くことができた。半泣きになりながら、とりあえずビールを飲んだ。


その後すぐに車は新たなやつを買いまして、窓は手動やけれども今は平和にドライブできております。
これまで頑張ってくれた旧車は、家の前に置いてる間にフロントガラス割れてしまって更に可愛そうな姿になったがしかし、なんとびっくり、買い手がついて先日売れて行きました。
しっかり直してもらって幸せになってくれ!ありがとうマイカー!!

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